株式投資で資産を運用している高齢者の方も多いかと思います。

多くの方は源泉徴収選択口座を選択していることと思いますので、上場株式等の譲渡所得や配当所得等は、基本的には確定申告をする必要はありません。

しかし、申告することで源泉徴収された税金の還付を受けられる可能性もあります。

例えば、上場株式等の配当所得がある場合や上場株式等の譲渡損がある場合などです。

 

私たち税理士は、税金の方ばかりに目がいってしまいがち。上記のような事例があれば、確定申告をした方がお得だと思ってしまいます。

でも、ここで大きな落とし穴が・・・。

確定申告をすることによって税金は還付されるのですが、後期高齢者保険料、国民健康保険料等や医療費の窓口負担が増える場合があります。

保険料は確定申告をしなければ、上場株式等の譲渡所得や配当所得は保険料対象に含まれませんが、確定申告をすればこれらの所得(損益通算、繰越控除後)も保険料算定対象に含まれます。

また、医療費の窓口負担は 所得金額と収入金額の2段階で決まってくるので、確定申告をすることで窓口負担が1割から3割に増加する場合もあります。

 

高齢者の方にとって医療費の負担額は大きな問題です。いったん申告をした後に、これらの所得の申告をしないこととする変更はできません。還付を受けようと確定申告書を提出したために、医療費負担が還付額よりも増えてしまったということにならないように慎重に考えたいものです。

ご自分のお住まいの市町村に問い合わせてみるのがいいかもしれません。

参考までに組合管掌健康保険又は共済組合の健康保険料は給与所得者本人の月給及び賞与を基に算定されるので影響はありません。