昨日、自転車で走っていると、紫陽花が綺麗に咲いているのに気づきました。もうそんな季節なんですね。少し前まで、桜の開花はいつかなとか、つつじが咲き始めたなと思ったような気がするのに。

日本のいいところの一つが、四季があることだと思います。(近頃は、春や秋が短くなってきたような気もしますが・・・。)

移ろいゆく季節を感じながら、ふと思い出しました。

大叔母が茶道の先生をしていたので、高校生から結婚するまで茶道を習っていました。熱心な生徒とは程遠く、今ではお点前も忘れているくらいです。茶道の意味もわからず、ただお点前の順番を覚えること、美味しいお菓子を頂くことに熱心だったような気がします。

 

茶道は季節感を大切にします。

茶室には季節に応じた花を生け、季節に応じた道具を使い、季節に応じたお菓子を頂きます。

お稽古の際には、季節に応じた銘を茶杓に自分でつけるといったことをします。

季節を感じ、季節にあったおもてなしの空間が、茶室なのです。

大叔母が、お稽古の際に、色々話してくれた茶道の意味や、お点前の意味、四季に応じた空間づくりなどなど、ほとんど覚えていないことが残念でたまりません。

 

今になってぼんやりわかります。お茶室には季節が溢れていたこと、茶室に生ける一輪の花にも意味があったこと、お客様にたいするおもてなしの心が茶道の根幹であること等々。

叔母の家は、団地の一室でしたが、季節の花を一輪生けることによって、そこは季節を感じるおもてなしの空間になっていました。

 

今の私だったら、大叔母が話してくれたことをもう少し理解できたのではないかなと思います。久しぶりに、大叔母の話が聞きたくなりました!

鈍る感受性もあるけれど、若い頃には、感じなかったことを、歳を重ねると感じるようになる。歳をとるのも悪くないかもと思った昼下がりでした!