我が家は結婚以来、みかんを買ったことがありませんでした。

義父が作ったみかんを毎年送ってくれていたからです。

義父が作ったみかんは昨今市場にでている甘味の強いみかんとは違い、甘味の中にも酸味がきいたみかんです。山に囲まれた土地で日照時間が少ないので酸味がきいたみかんができるのだそうです。あっさりしていて美味でした。夫は甘味の強いみかんより義父の作ったみかんを好んでいました。

「いました」と過去形なのは、今年はもうそのみかんが送られてこないからです。

今年病気をした義父は畑を他の人に預けることにしました。定年してからずっと農業をしていましたが、最近は足腰も弱ってきたし農業を続けるのは心配だなと思っていたので、農業をやめると聞いた時はホッとしました。

でも、みかんの季節になってもみかんが送られてこないことに気づいたとき、何とも言えない寂しさを感じました。毎年、食べきれないほど送られてきたみかんの有り難さがようやくわかりました。

物事にはいつか終わりがやってきます。いつも当たり前にテレビにでていたSMAPも解散します。今まで当たり前であったことが当たり前でなくなる。諸行無常。

私でさえ寂しさを感じるのです。今までがんばってきた義父はきっとホッとした反面、とても寂しさを感じていることだと思います。もうすぐお正月。ご疲れ様でしたの気持ちを伝えたいと思います。

今年はどんな一年でしたでしょうか?
どうぞ良いお年をお迎えください!