実家の母が骨折をしてリハビリのために入院している病院へ見舞いに行ったときに感じたことです。

最近は、男性の看護師さんを見かけることも多くなってきました。確かに看護は力仕事の一面もあります。足を骨折して歩けないような患者を起こして車いすに乗せるのは女性の力ではなかなか大変です。ただ、トイレの世話など、女性患者はやはり男性の看護師さんでは、恥ずかしい面もあるのではと思っていましたが、母からの話を聞いている限りそんなことはなさそうでした。「あの男性の看護師さんは、私の話をよく聞いてくれるの。次の日も昨日はどうだったと声をかけてくれるの」と嬉しそうに話していました。

患者の話を聞いてくれて真摯に対応してくれるかどうか、それに尽きるのだと思いました。母とその男性の看護師さん(残念ながら私はその方をお会いする機会はなかったのですが)の間には確かな信頼関係が築かれているようでした。

また、外泊を許可されて、家に帰った際、美容院で髪の毛をカットして病院に戻った母を一目みた看護師さん、リハビリの先生(いずれも女性)が、「○○さん、髪の毛、カットされたんですね!!」と声をかけてくれました。その時の母の嬉しそうな顔!「そうなの。本当はパーマもあてたかったんだけどね!」などおしゃべりが弾みます。私も、母のことをきちんと見てくれているんだと嬉しくなりました。

患者の顔を見て、声をかける。これだけのことで患者の心は穏やかになるのです。

最近は、患者の顔を見て話しをしない医師もいます。電子カルテを入力しながらパソコンに向かって話をしています。それでは、信頼関係は築けません。

母のかかりつけのお医者さんは、母の顔をみて話し、世間話も一言二言してくれます。前のお医者さんはパソコンに向かって話をされる方でした。母のお医者さんへの信頼度は雲泥の差があるようです。

人の顔を見て話す。そして、その人を気に掛ける。それが信頼関係を築く第一歩なのですね。そして、それはどんな仕事にもあてはまりそうです。

ネット社会の今、顔を見ないでも、仕事はできるかもしれません。でも、私はやはり実際に会ってお話をして信頼関係を築いていきたいと思っています。