私の故郷神戸では、春の便りはイカナゴが運んでくれます。

人々は、イカナゴ漁の解禁を今か今かと待ちわびます。イカナゴの釘煮を作るためです。今年は3月7日でした。最近は、関東地方でも売られているのでご存知の方も居られると思いますが、イカナゴの釘煮とは、イカナゴ(シラスのイメージです)を生姜、醤油、みりんなどで甘辛く煮詰めたものです。

それぞれの家庭でそれぞれの味があります。解禁日を過ぎると、神戸の街には釘煮を炊く匂いがあちこちからしてきます。 そして各家庭の釘煮のお裾分けをし合います。ですから、この時期、食卓には様々な味の釘煮が並ぶことになります。

私も小さい頃から、ずっと釘煮を当たり前に食べて大きくなりました。神戸の名産だということもしりませんでした。結婚した当時、こちらでは釘煮が手に入らないことにビックリしましたし、実家から、釘煮が送られてきた時は、本当に嬉しかったことを覚えています。

ただ、なぜか我が実家では、家庭で作らず。いつもお願いしているお魚屋さんの味が、私の家庭の味です。母曰く「おばあちゃんがその方が美味しいっていったから。」だそうです。

皆さんにも、故郷の味ってきっとあると思います。今はインターネットでなんでも注文できて手に入れられる時代です。でも、故郷から送られて来るものは、その物だけでなく、色んな思いも一緒に届けてくれる、そんな気がします。

そして、今年はもう一つ故郷からうれしい便りが。わが母校兵庫県立長田高等学校が春の選抜で甲子園に出場したのです。結果は惜敗でした。でも、月並みな言葉ですが、後輩たちの頑張りに心から感動し、そんな感動をさせてくれた後輩たちに心から感謝です!!