ふるさと納税とは、地方自治体へ寄付することです。納税というキーワードがあるためわかりにくにのですが、実際は納税をしているのではなく寄付をしています。そして、このふるさととは、自分の住んでいる場所や住んでいた場所ではなく、自分が好きな場所をいいます。ふるさと納税は平成20年に始まった制度ですが、寄付した金額とほぼ同じだけ所得税や住民税が軽減され、かつ、ふるさと納税をした地方公共団体からお礼の品が送られるとのことで人気の制度です。

今までは、確定申告をすることで税額が軽減されていましたが、平成27年4月1日以後にしたふるさと納税については、確定申告が不要になる制度(ワンストップ特例制度)が導入されました。

ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をした際にその納税をした地方公共団体に書類(申告特例申請書)を提出することによって、税額の軽減が受けられるというものです。ただし、この特例を受けるには条件があります。

①ふるさと納税先の地方自治体が5以下であること

②確定申告不要の者であること

つまり、自営業者や年収2000万円超の給与所得者はこの制度を受けることができません。医療費控除を受ける者や、住宅ローン控除初年度の者は確定申告が必要ですので、ワンストップ特例を受けることができません。また、平成27年1月~3月までにしたふるさと納税がある場合は、本年分すべてのふるさと納税について確定申告が必要になります。

ワンストップ特例を適用した場合と確定申告をした場合も税額の控除額の合計は同じですが、ワンストップ特例の場合はすべて住民税から、確定申告の場合は、所得税と住民税から、それぞれ軽減されます。

確定申告をするより、申告特例申請書を提出する方がはるかに簡易です。4月1日以後寄付をされた方で条件を満たす方はぜひお薦めです。

余談ですが、ふるさと納税について、心あたたまる記事がありました。豪雨の被害を受けた常総市では、お礼の品を送ることができないと周知したあとでも、続々のふるさと納税を利用した寄付が集まっているとのことです。テレビや雑誌などでお礼の品にスポットをあてたふるさと納税が盛んに報道されていますが、本来のふるさと納税の姿がここにあるのだと思いました。